2006年7月アーカイブ

 「えい!」と上着を脱ぎ捨てたみたいに梅雨明け宣言です。
館は蝉の鳴き声と焼ける太陽にさらされて、壁面のガラスはきらきら青い海を映しています。「謝、謝、謝、シエ、シエ、シエ、・・・・・」。蝉の合唱は、梅雨明け感謝の印でしょう。桂浜の山全体が「謝、シエ」です。
 館では、携帯電話のアンテナ設置工事が進んでいますが、作業員同士、大声で話さないと、声が蝉の声で消されてしまうほどなのです。
 入館者の皆さんはその蝉の声と熱風を従えて入って来られます。
第一声が「おおっ!涼しい!」。
 ただ、今年の長雨は一つ厄介な宿題を残して行きました。
 館の南面斜め下の県道沿いの斜面が、雨で崩落したのです。高さ10メートル、幅7メートルですから、遊びごとではありません。二車線道路の山側は土砂の小山で埋まりました。もしここが通行止めになったら、桂浜はもちろん坂本龍馬記念館にとっても、夏の観光シーズンを控えているだけに大打撃です。幸い片側通行でしのげることになったのですが、危機一髪でした。
 徹夜警戒の警備員さんは大変です。毎日朝晩通るたびに感謝です。工事も始まりました。間もなく土砂も取り除かれるでしょう。
 夏休みに入って、子供の声が館内にこだましています。夏本番です。

いよいよ夏休み突入!!の7月21日。
平日なのでそれほど多くはないにしても、普段は見られない親子連れの姿が見られた。

お昼ごろ、2階のミュージアムショップに小学生の男の子がやってきた。
しばらくいくつかの商品の見本を手にとって考えて・・・、お母さんから何かをもらってレジへ。
その手にはお年玉の袋が握りしめられていた。
和風の柄に「おとし玉」と書かれた袋の中から、小さく折りたたんだ千円札を1枚取り出して渡してくれる。
おつりの300円を渡すとまたそのお年玉袋の中へ、落とさないようにそぉっと入れて、
「ありがとうございました!」
ペコっと頭を下げてお母さんのいる方へ走っていった。

あのお年玉は夏休みに家族で遊びに行ったときに何か買おうと思って大事にとっておいたのかな。

そう言えば・・・、私が初めて自分でお金を出して買い物をしたときもお年玉の袋からだったような・・・。
そのとき買ったのは”ひみつのアッコちゃん”のハンカチ(200円)。

さて、”お年玉を持った少年”が買ってくれたのは、
『坂本龍馬を知っちゅう?』(300円)と『レターセット ヱヘンの手紙』(400円)。
「坂本龍馬を知っちゅう?」は子ども向けに龍馬のことを分かりやすく書いた本で、写真資料も充実しているので大人の方にも喜ばれているもの。
「ヱヘンの手紙」はただのレターセットではない!後ろからめくると龍馬の柄、前からめくると坂本家の家紋(組み合わせ角に桔梗紋)と、めくり方によって絵が違って見える魔法のレターセット☆☆☆
ミュージアムショップの数ある商品の中でもこの2点はよく売れている。

お年玉をしっかりとっておいて買い物をするところといい、この2つを選ぶところといい、”お年玉を持った少年”、将来は龍馬のような大物になりそうな予感 (^-^)♪♪

今日の海は...

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海辺の丘の上。ここ坂本龍馬記念館では、高い目線から太平洋を望むことができる。
180度にひらけた果てしなく続く海原。水平線はわずかに丸みを帯びている。
海は地球上でひとつにつながっているのに、見る土地によって様々。
同じ場所から見る海でさえ、日々違った表情を見せる。

ここから見えるそんな海の様子を、来館されるお客様にもゆっくり眺めていただきたいと、「龍馬の見た海」と題した小さなブラックボードを入口近くに設置、晴れた日の真っ青な海の写真の下に、「今日の海は・・・」のタイトルで短く文章に綴ってお伝えしている。
毎朝その日の受付担当者が、開館前のわずかな時間に書き上げているが、限られたスペースに「簡潔に分かりやすく」表現するのは意外と難しい。
そのうえ数時間で海の状態が一変していたり、館長からの、「全体ばかりでなく、部分的にも捉えてみて。」との指示に、せっかくまとめた文章を書き直すことも。

さてお客様の反応は・・・。
一瞬ボードに目を留めただけで、そのまま立ち去る方、立ち止まり、ひとり腕組みでしばらくボードを見てくださる方。(海を眺めてみようと思っていただけたかな、と気になる。)
「眺望度100%だって。見に行こうか。」とグループで屋上へ向かわれる方。(よかった!ひと安心。)
「これはあなた方が書くの?なかなかよく書けてる。」とご年配のお客様がお声を掛けてくださった時には恐縮してしまったが、とても嬉しく、ありがたかった。

これまでボードに書いてきた中のいくつかはこのような内容。

  • 早春のある日
    「海面に美しく反射する陽光のまぶしさ。穏やかに寄せるさざ波。はるか東に岬が霞む春です。」
  • 風の強い晴れた日
    「強風に波は高め。海面にはくっきりと白い波頭がリズミカルに顔を出す、美しいブルーの海です。」
  • 風の強い曇りの日
    「打ち寄せる波は高く、海面も大海原を実感させるダイナミックな動きをみせています。」
  • 薄曇り 眺望度60% 穏やか
    「白っぽく霞んだ空を映したような色の海面。その細かな陰影や動きもまた美しい今日の海です。」
  • 曇り時々雨 眺望度50% 大迫力
    「うねりのある灰色の海面に、霞む水平線。波は荒々しい音と共に大きく打ち寄せ、白く長く跡を残して引いていきます。」
  • 雨 眺望度40% 穏やか
    「海面に雨の足跡。寄せる波はやさしく、霧に包まれた海です。」

最後の一文、Kさんの書いたこのボードを読んだきり、海をよく見ることなく勤務を終えたこの日の帰り。
大粒の雨の中ふと海に目をやると、海面にポツポツと無数の細かいくぼみが。なんと雨粒が海に降って落ちるのが、光の加減で見えたのだ。
こんな海を見たのは初めて。まさに「雨の足跡」だった。

龍馬の休日

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梅雨空が切れた夏休み前、かっと太陽が照りつけたその日の朝である。
「どうもでーす」。カルチャーサポーターのHさんが、館の事務所の入り口に立った。
長身をぺこりと折って「ご無沙汰でーす」。
予定になかったので「何事ですか?」と聞くと、
「龍馬やりにきました」。
Hさんは熱心なサポーターである。龍馬会に所属している。龍馬ファンである。館の関連イベントには欠かせぬ人物で、特技は龍馬への変身。格好は侍姿。刀を持ち、ブーツを履く。めがねはご愛嬌だが恰幅がいいので似合っている。
 「一緒に写真撮ってください」。頼まれたりもする。
 九州熊本の天草と高知の梼原。海と山。音頭取りはそれぞれの龍馬会。二つの地区の子供たちの交流会が開かれた。桂浜の龍馬像前で集合した。
 Hさんはその出迎え役に招集されたわけである。なぜ、館に来たかというと、“龍馬道具一式”が、事務室のロッカーに入っているからである。着物にはかま、刀・・・・。応接間に入って5分もせぬうちに龍馬登場。
 「似合いますね」「へへへへ・・」
 Hさんは市内に住んでいる。自宅から龍馬記念館までスクーターでやってきた。
 このスクーターがいい。イタリア製、「べスパ125」。これでぴんときたなら、その方はバイクのつう?映画のつう?。さあ“つう”なら、ご存知でしょう。あの、オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック主演の映画「ローマの休日」。そしてこの映画にはもう一人、いや、もう一台主役がいました。二人の乗ったスクーターですよ。
 Hさんはそのスクーターで現れたのです。
 得意げにHさんのいわく「今日はまさしくリョウマの休日ぜよ」。
 Hリョウマはさっそうとスクーターで、集合場所に向かいました。

ふとこんなことを考える。

もし龍馬が”龍馬”じゃなかったら・・・。
もしお兄さんの権平さんのほうの名前だったら。

 「 薩長同盟の立役者”坂本権平” 」
 「 海援隊隊長”坂本権平” 」
 「 高知県立”坂本権平”記念館 」・・・・・・・・・(^-^;)???

龍馬が”龍馬”じゃなかったら、記念館はできていなかったかも。

龍馬は生まれながら(名付けられながら)の大人物だったのかもしれない。
記念館になるほどの☆

記念館初の展示品

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 7月1日(土)より、企画展“それぞれの幕末「龍馬、半平太、そして以蔵」展”が始まった。
 7月2日(日)Yahoo新着情報のトピックスに「岡田以蔵の所有とされるピストル公開」-毎日新聞と見出しが出ており、当記念館のホームページにアクセスしようとすると、込み合ってなかなか開けない状況だった。人々の関心の程が伺える。

 さて、その展示品「岡田以蔵のピストル」「武市半平太が自刃した短刃」「武市半平太の獄中書簡」は、どれも当記念館初の展示であり、是非この機会にご覧頂きたい。「岡田以蔵のピストル」は岡田家のご子孫より、「武市半平太が自刃した短刃」は高知県立歴史民俗資料館よりそれぞれ拝借したもので、「武市半平太の獄中書簡」は武市家関係者のご子孫より寄託されたものである。いずれにしても貴重な財産を拝借して展示させて頂いているわけで、何かがあってはそれこそ一大事。
 そこで取られた手段が、それぞれの展示品へ特注で作られたカバーを設置し、施錠する事にした。毎日朝のミーティングが終わると職員全員でこのカバーを外し、閉館後、またそれを元に戻す。2ヶ月の期間中職員全員に課せられた責務である。

 以前、アイルランドの絵画強盗について描いた映画と本を読んだ事がある。悪事とはいえ、その手口は鮮やかであり、信じられないほどの内容だった。
 とはいえ、やれるだけの事はきちっとやり、1人でも多くの方々に当記念館へ足を運んで頂ければ幸いである。そして、8月31日(木)まで開催している“それぞれの幕末「龍馬、半平太、そして以蔵」展”が、無事終了することを願っている。

遊び心あふれて

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 いやあーこれは面白い。楽しいぞ。「ふふふ・・・・」。作品の前で独りで笑ってしまった。
館の「海の見える・ぎゃらりぃ」の7月展示は、立体作家の森木裕貴さんである。
名づけて「遊木展」。
 展示入れ替えの日、森木さんはお一人でやってこられた。事前に「作品は木を使って自由に」と言われていたので、これは大作だと勝手に想像していたが見事予想は外れた。現れた森木さんは、手に数本の枯木と、少し大きめのボストンバック、大工工具入れを持っただけであった。
 すぐボストンバックから作品を取り出して並べ始めた。見ている限り思いつくまま、適当に置いていく感じである。ただ、リズミカルに置いていく様子からして楽しくやっているのは想像がつく。
 全部拾った流木なんだそうな。それに色付けする。流木の形から魚が生まれる。腹の部分に、何かの機械か、おもちゃの部品かもしれない。ぜんまいや歯車が組み込まれて“森木の魚”が誕生する。
尻尾にスクリュウが回っているのもある。えらがブリキ、目の玉はボルトの頭。ひれの部分に真空管が並んでいるのは、シーラカンスよりももっともっと昔の古代魚に違いない。
 館内を、太古の湖に見立てて悠々と泳いでいる。
「お手伝いすることは何かありませんか?」。声をかけると
「そうですなあ、冷たい缶コーヒーを一杯所望。いや冗談ですよ」。
 そこで一休みである。
 しばしの“流木芸術談義“のしめくくりは
「面白いのは魚たちより、ほら、55歳のおじさんが真面目にこんなことをやっているということですよ。ハハハ・・・・」。
 “モリキ少年”は、2時間そこそこで飾りつけを終わり、「じゃあ」と一言。お帰りになった。

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