2007年1月アーカイブ

先日、小学生のくりくり坊主の男の子2人とそのおばあちゃんの3人連れがやってきた。

おばあちゃんが、「何でも好きなもの1つ買ってあげるから、選びなさい」というと2人は喜んで早速眺めていた。

年齢からいっても六花亭のお菓子を選ぶだろうな、と見ていると2人揃って直行のポストカードの前へ。「きれい~!!」「どれにしよう。全部欲しい」
30分ほど悩み続け、それぞれ山の絵のポストカードを2枚ずつ選んだ。
「全部きれいやったね。お兄ちゃんのもいいね。」などと話しながら、コーナーを振り返りつつ名残惜しそうに帰っていく。

大事そうに持って帰る男の子と嬉しそうなおばあちゃん。
こんな瞬間が、販売員として一番嬉しい。
おまけをあげたくなるほど可愛く、とても暖かな気持ちになった。

割れた竹筒

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「坂本直行展」入り口に、一鉢の生け花が置かれている。
「草木花塾」の主宰、郷田八代さんの作で、このことは、既にこの欄でも紹介済みだ。このグループの得意とするところは、野に咲く自然な草花をあしらって独特の空間を演出する手法である。
 普通のお花を生けるのとは少し違っているように思う。
それは単に“きれい”だけではなく、“存在感”とでもいえばいいのだろうか。
「今、草木は季節的に眠っている時期でしょう。その中から材料を探すわけですから・・・」草や木に、人に話しかけるがごとく問いかける。
労わる。感謝する。本当に大事にしているのが良く分かる。
 車の右前部、バンパー付近が擦れていた。
「山道が草で隠れていて、石に気づかなかった」とくったくない。
「車は傷だらけですよ」。
 先日、花瓶を古い竹筒に見立てた作品が登場した。
竹筒は20センチほどの高さがあった。節が二つ。苔が生えていて風情もなかなかのものである。午前中に生けたその日の夕方だった。
「パン」。大きな音が館の入り口付近に鳴り響いた。
居合わせた入館者もびっくりした。受付の職員も腰を浮かせた。
見ると、くだんの竹筒が見事に縦に裂けて、水が噴いていた。
館内の乾燥のせいで、竹が弾けたのだ。それもまた一興。割れた竹筒は郷田さんにお返しした。
「割れてしまったの。皆さんびっくりされたでしょう。ごめんなさいね」
郷田さんはしきりにお詫びして頭を下げられた。胸にしっかりわが子のように竹筒を抱えたままで。

足音を聞いて育つ

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 正月に妻の実家へ行ってきた。妻の実家は農業を営んでおり、私たちはいつもおいしいお米を頂いている。義父と農業の話をしていた時、上手にお米を作る秘訣を聞いてみると、その答えは「田んぼへまめに足を運んで手入れをしてあげること」だった。
 4・5年前、県立歴史民俗資料館で、「おばやんの知恵袋」という面白い企画展が催された。当時83歳だった“おばやん”は、講演の中で「人の足音で、つくり(作物)は育つ」ということをおっしゃられた。やはり義父と同じなのだ。「いっつもは直接手をかけなくても気をかけて見に行きよったら、結局は手が足りてよう育つがじゃね。作物の成長具合を眼でみるが大事ということよ」(企画展展示資料解説集より)
 これは非常に含蓄のある言葉で、様々なことに共通した言葉ではないかと思う。例えば子どもの成長である。いじめや自殺、事故など子どもにまつわる事件が多い昨今、親はどれだけ子どもの変化に気付いているだろうか。早く気付けば何らかの対処ができるかもしれない。
 博物館にもこの言葉は当てはまる。資料は生き物ではないので成長することはないが、逆に日々劣化している。それを最小限に止めることが博物館の使命である。毎日展示室へ行き、資料の様子を見ていれば、展示室内や資料の異変に早く気付くことができ、早い対処ができる。現在当館で開催されている坂本直行展は、普段当館ではあまり展示をしない絵画が中心で、しかも展示方法が大きく違う。こういう時こそ、まめに展示室へ足を運ぶことが大事だとあらためて感じた。
 直行展は好評で多くの方が来館してくださっている。あと3ヶ月、先は長いが気を引き締めて臨みたい。

それぞれの日の出

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 あけましておめでとうございます。2007年の幕開けを皆さんはどこで迎えられたのでしょう?
私たち職員は、全員で記念館の屋上展望台に上って日の出を待ちました。冷たい風を頬に受け、彼方の薄雲がかかっている天空をひたすら期待を抱いて見つめていました。日の出を待つそれぞれの姿と表情は十人十色、皆個性的で豊かです。
 海上には帆を張ったヨットが何隻も滑り出しその時を待っています。やがて黎明色の空が刻々と白み始め、瞬間真赤な太陽が頭を出しました。どよめきと歓声の中、太陽はどんどん大きくなっていきます。私は思わず拍手を打って‘世界が平和でありますように’と祈りました。

 記念館では“坂本直行展”の作品展示替えも行い3月31日(土)まで開催しております。また、1月28日(日)午後6時からは“オカリナと月琴”のコンサートもお愉しみいただければと思います。

 雄大な日の出と共に1年がスタートし、多くの方々が記念館を訪れて下さった2007年元旦。皆様にも幸い多き新年でありますように、本年もよろしくお願いいたします。

 見られないと思っていた初日の出を、記念館の屋上から見た。毎朝繰り返されている地球の儀式は、ただただ美しい。
 記念館は開館16年目で初めて、元日にオープンした。7時半のオープンに合わせて、職員は早朝3時から三々五々出勤してきた。記念館のある桂浜周辺は初日の出の名所で、元日の朝は車が動かないと聞いていたからだ。渋滞はさほどではなかったが、朝早くから館の駐車場はいっぱいで、「曇」の天気予報は見事にはずれた。
 茜色に染まり始めた大空の下方。水平線の上にある雲間から太陽は出てきた。海からのご来光が桂浜に突き出た館を染めていく。職員の顔も染まっていく。
 来館された方には、六花亭のチョコレートがお年玉。200名様限定チョコは、数時間でなくなった。
 玄関には直行の「羊蹄山」が凛と在る。千客万来。
 新しい一年が始まった。あけましておめでとうございます。

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