2008年2月アーカイブ

装道

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和服姿の3人の女性が「坂本龍馬記念館」に現れた。
皆さん背筋が伸びておられる。
応接室がびんとシマって華やいだ。
「装道」=そうどう=
舗装した道ではないだろうし…
聞き慣れぬ言葉に、一瞬詰まった。不勉強も恥じた。
それを、見透かしたようにやんわり説明いただいた。
着物姿に「装道」だから着物に絡むことだとは少しは想像した。
「単に着物の着方とかではなくて着物を着ることで、人の心、礼儀作法を学び、内面から美しくなろうというという“道”です」
説明を受けて納得である。
「お節句、お正月、節分…現代のドサクサに紛れて薄れていくしきたりは“日本の心”の喪失です。こんな世の中だからこそ、失ってはならぬと思います」。説得力も充分。「だから子供たちに伝えたい」と念をおされ「龍馬記念館と何か一緒にやりましょう」。身を乗り出していた。
 それで一つ提案があった。
 桂浜での“時代パフォーマンス”。単なる仮装大会ではなく、自宅の箪笥深く仕舞ったままの古い着物や服を取り出し、袖を通して桂浜をあっちぶらぶら、こっちぶらぶら、空気を“昔”にしようというものである。折から県下は“であい博”。ならば「時代との出会い」。その日一日、桂浜は昔に戻る。昔から今を考える。
 面白いと思う。

龍宮祭

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 “龍馬の見た海”が、時折かすむようになった。
西の山を見れば、頂上付近は雪化粧だ。
遥かなる水平線に雪の峰々。
冬と春とが競争を始めた。
 突然というか、機が熟したというのか桂浜に一陣の風が起こった。
浦戸住民皆さんが巻き起こした思いの風とみる。
熱い、熱い。「桂浜再生促進協議会」という。
「坂本龍馬記念館」もその風の中にある。
根底にあるのは、このところ低迷している桂浜の活性化にほかならぬ。
龍馬思想の普及、新たな龍馬ファン獲得を目指す館にとっては由々しき問題に違いない。
 熱い風が渦を巻きだした。
浦戸は昔、漁業で栄えた。船を持っていた。新造なると記念に大漁旗や祝いの旗を作った。皆で祝った。そんな旗類、現在は押入れの奥く深くにしまわれている。この旗をもう一度取り出して、桂浜をその旗で埋めてみては、そんなアイデアが提言された。ちょうど4月20日(日)は桂浜の「龍宮祭」。歴史を刻んだ古い旗は迫力だと思う。
祭りの景気付けにもなるから一石二鳥、いや、折から高知は「花・人・土佐であい博」開催中。一石三鳥だ。
 砂浜を埋め尽くした祝いの旗が、桂浜を訪れた観光客を迎える。まさに浜ごと“出会い”ではないか。それに動き出したのが平均年齢だと70歳に近い、昔ならじいさん、ばあさんパワーというのもユニークである。
 息子の代、孫の代への“これは責任”と頑張っている。
祝い旗、大漁旗で埋まった桂浜。想像するだけで、胸が躍る。

独り言Ⅹ

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 人と人との繋がりは出会いから、あるいはモノとの関わりも出合いから始まる。「幕末写真館」展の写真を通して私は一人の女性の存在を知った。奥村五百子である。この企画展に関わるまでは、顔はもちろん恥ずかしながら名前すら知らなかった。けれど何故かこの女性に惹かれた。
 幕末から明治の時代を生き抜いた奥村五百子は、幕末の尊皇攘夷運動、自由民権運動、朝鮮半島における農業指導に学校建設、そして愛国婦人会の創立者であった。乱世の中を多彩に生き抜いてきた奥村女史だが、一貫して言えるのは「供養と援助の精神」をモットーにひたすら己を捨てて人のために生きてきた人物であるということ。写真で見る限りその目から意志の強さ頑固さは十分に感じられる。けれども男勝りというよりは静かで穏やかな印象を受ける。幕末にもこのような女性が居たことを教えてくれたのも、元をただせば龍馬である。「幕末写真館」展に携わらなければ、もっと言うなら坂本龍馬記念館で仕事をしていなければ知りえなかったことである。出会いとはそんなものであり、人生を豊かにしてくれるものに他ならない。
 4月からは「龍馬・出会いの達人」展も始まります。しかしその前に、皆様も写真との何気ない出合い、してみてはいかがでしょう!?

讃える

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「世界観をひろげれば、人生に対する理解も深まります。
…試みようとしているのは、新しい文化の種を植えつけて、世界中の伝統と音楽の声を讃えることです。」
世界的チェロ奏者ヨーヨー・マの、ジャパンツアーのリーフレット。
彼のコメントの最後、「讃える」という言葉に目がとまる。
讃える、称える=ほめる=物事を良しと認め、その気持ちを表す。
称えると言えば、健闘を称え合う、業績を称える、などとよく耳にする。
でももっと何気ない日常的な人間関係の中でも、「讃える」ことはとても大切であるように思う。
人からほめられたり認められるのは嬉しいし、自信がつき力も湧く。
そのことで相手への信頼が生まれ、よりよい結果につながる。
さりげなく添えられたこの言葉は、
心豊かに生きていくための大事なキーワードのひとつなのかもしれない。

龍馬にはその天性が備わっていたに違いない。
そうでなければ、身分の高い人達や才能に秀でた人達からの惜しみない協力など得られなかっただろう。
日本を変えた大仕事も、ひとりの力だけで成し得たのではない。
人を讃え大切にできる、そのことが龍馬の人間としての評価につながり、人の心を動かしたのではないだろうか。
不可能と思われたことも龍馬だからこそ実現した。

開催中の幕末写真館展では、そんな人々の顔ぶれを見ることができる。
150年の時を経て、生きて出会うはずの無い人に、写真を見ればどこかで会ったかのような、
手紙を読めば心情を語られているような、そんな不思議な感覚にふととらわれる。
それぞれの志を持つ仲間同士、認め合い、信頼し合って生きた彼らの姿が、
「讃える」ことの良さも思い出させてくれるかもしれない。

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