晴れ、雨、晴れ、雨…。これに寒暖が加わる。わずか一週間の間での季節の変化だから、気を抜くと風邪にやられる。春のおとないは気を持たせながら、やって来る。
龍馬記念館に来た“はる”は大阪から、クレーン車でやって来た。
まるで晴れ着衣装で着飾ったかのごとく、分厚く梱包されていた。
「エアタイト型展示ケース」という。ケース内を密閉状態にするのが特徴で、つまり、中に展示された資料は破損されない、いや、厳密には破損されにくい。
博物館や美術館では企画展ごとにお互い資料の貸し借りが行われる。重要、貴重な資料になればなるほど当然慎重になる。
そんな時「エアタイトにしてくださいよ」。貸すほうから指定される。持ってない場合は、展示ケース自体を借りてこなければならない。算段がつかぬ場合は、資料を借ること自体が不可能になったりもする。
龍馬記念館も美術館から借りた経験がある。企画展のグレードを上げるためにも、目の肥えた入館者の要求に応えていくためにも、エアタイト式展示ケースの設置が望まれていた。それが、今回一挙に4基入った。かなり充実した展示が可能になった。
クレーンで下ろされ、地下2階のドアをくぐって、企画展示室の中央に腰を据えた。「ちかっ」とライトが入る。一見、他の展示ケースと何ら変わりはない。入館者の皆さんも気づきはしまい。しかし、なんとなく頼もしげに見えるのだ。
近じか、驚くような資料をこの展示ケースで、お見せすることが出来ると確信している。

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