2008年8月アーカイブ

学芸員の役得

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 学芸員の仕事をしていて、「得をしたなぁ」と感じる瞬間があります。学芸員は展示や調査などの目的で、“お宝”と呼べるような逸品に触れることができるのです。
 今、9月1日から始まる『幕末土佐の刀剣と鍔』展の準備で、色々な刀を借りて廻っていますが、刀剣ファンならよだれが出そうな素晴らしい刀を何点かお借りしています。その刀を手に取り眺めていると、本当に役得を感じてしまいます。間近で見る日本刀はとても美しく、魅入られて何本も収集する方の気持ちがよく分かります。
 刀の他にも、今年は当たり年なのか、役得を感じることが既に何回もありました。ある所で、幕末史を研究する上で非常に重要な資料が発見され、いち早く見せていただけたのも役得だと思います。
 また、個人の方から世界的にも珍しい時計を見せていただいたこともあります。幕末に活躍した志士が拝領した物で、ご子孫の家に伝わっていました。博物館でもめったに展示されることがない種類の時計で、本の中でしか見たことがありませんでした。まさに“お宝”中の“お宝”です。私は時計好きなので、一度は見てみたいと思っていましたが、まさか手にする機会に恵まれるとは思っていませんでした。これこそ役得以外の何ものでもありません。
 今年巡り会った貴重な資料の数々は、まだまだ調査が必要な段階ですので、公表はできていません。しかし、いずれ公表されたあかつきには、当館でも展示できるように努力したいと思っています。ご期待ください。まずは、その第一弾として美しい日本刀や鍔を展示しますので、ぜひ足をお運びください。
 これを書いていた今日、偶然にもまた一つ興味深い資料と巡り会うことができました。今年は本当に当たり年です。

夜の印象

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夜、信号待ちの車窓から景色を見る。
川面にゆらめいて広がる淡い金色の輝き。
見上げれば漆黒の空に雲に包まれ眩い光を放つ真丸な月。
浮かび上がる浦戸大橋のシルエット。
見慣れた昼間の風景とは別世界にも思われた。
昼間多くのお客様で賑わう龍馬記念館。
8月の土日は夜8時までの開館。
夜のとばりが降りたあとの2階展示室。
照明にてらし出される近江屋八畳間。
あの龍馬運命の日へと誘われるような夜の闇と静寂を
ガラス張りの展示室の向こうに感じて…。

昼間とはまた違う何かを感じに
夜の龍馬記念館に足を運んでみられませんか。

独り言ⅩⅣ

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 館の「海の見える・ぎゃらりい」に新しい出会いの風が吹いている。
「珊瑚とジュエリー“和”のコラボレーション」というタイトルで、谷内信之氏、森謙次氏の2人の作品が加わった。
 谷内氏は珊瑚に銀製品を中心としたジュエリーで「和と龍馬」を、森氏は珊瑚の他に鯨歯・猪牙・鹿角・木彫を使用して根付を中心に「ユーモア」をそれぞれ表現している。
 作品は30点あまり。ショーケースの中を覗き込むと、細かくリアルな小品が、自由と無限の広さをを感じさせ時間さえ忘れさせる。
 また、そばに飾った2人の写真が楽しい。高知市内の武家屋敷で写したという。和服姿の2人が、縁側に座って話をしている。とても晴れやかにいい顔をしている。取り巻く空気がよい。手を広げて2人は何を話しているのだろう?話題を想像していると、きっと龍馬もこのように気の合った仲間同士、“新しい日本造り”を語り合っていたのだろうと、その姿がダブって見えた。
 とにかく是非一度、ご覧になってみて下さい。彼らの作品を。

龍馬の一日

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「館長サン、ここのところお客さん多いでしょう!」朝、出勤と同時に清掃のおばちゃんに声をかけられた。
にっこりの挨拶、声が弾んでいる。
「当然、夏休みお盆も近いし」と階段を下りながら私。
「いえ、特に今年はお子さんの姿が多いのでは、そうですよ」
「なんで?何で?また」
「ガラスに小さな手型が多いのです」
おばちゃんが喜んでいた。
 言われて展示ケースを蛍光灯の光の下ですかして見ると、なるほど転々と小さい手型が踊っている。
お父さんが、覗き込んでいる展示ケースの中を、背が足らないお子さんがぶら下がった拍子に付いたらしい、読みにくかったのだろうか、擦ったり、じっと手を突いていたものまで色々ある。
その手型をつけた子供らの姿を想像するのも楽しい。

 今日も、子供の声が館内にこだましている。
時に、ぐずる幼児の声も混じる。
テレビから「ウオーウオーウオウオーウオ…」
そうアニメ「おーい竜馬」がかかっている。
子供も、大人も一緒になって今日は龍馬の一日。
町は“よさこいまつり”。
龍馬も踊っているかもしれない。

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