2009年10月アーカイブ

最近、龍馬記念館に小学生の入館が多くなったように感じる。
遠足、課外授業。そんな子供たちの解説案内をする機会も増えた。「今日はどんな小学生が来るのだろう...」「ちゃんと龍馬のことを分かってもらえるかなあ...」などと、毎度のことながら内心ドキドキもの。
しかし、案内を終えた後、いつも思うことがある。
それは、「彼らに出会えて良かった」と心からそう思えることだ。

龍馬記念館勤務も3年目に入り、仕事に対して心に少しだけ余裕を持てるようになってきた。案内する時、緊張の中にも少し肩の力を抜くことができるようになった。
おかげで、"視界"がほんの少しだが広がったように思う。
小学生の案内には、その少し広がった視界がとても役に立つ。
一方的に解説をする案内だけでなく、こちらから、問いかけてみたりすることも出来るようになったのだ。
彼らの熱心さや好奇心は自由奔放である。驚かされることが少なくない。
「龍馬には名前が二つあったの?どうして?」「龍馬のピストルの値段は?」
たじたじとすることもあり、学芸員さんに応援を頼むことも。しかし彼らのくったくのない笑顔や笑い声を聞くとこちらまで楽しくなってしまう。
自分が忘れかけていたものを思い出させてくれもする。
そんな小学生達と触れ合う時間があることに感謝の日々である。
来年のNHK大河ドラマは「龍馬伝」。目を輝かせてやって来る小学生の声が館内に響くはずである。

 みなさん“ボトルシップ”をご存知でしょうか?
ウイスキーやワインのボトルの中に、船が組み立てられた作品のことです。
ニッカウイスキーのダブルサイズ、高さ12センチ×長さ22センチ×幅7センチの空間に、見事に納まった帆船を目にすると「どうやって入れたのか」不思議な思いに捕らわれます。例えば、作品“夕顔”の甲板には風に吹かれる龍馬や海援隊士(6mm位の人形)の姿が。記念館の“海の見える・ぎゃらりい”で始まった-小さな船で夢の大航海-「中村斗世木ボトルシップ 世界の帆船」展は11月30日までの長丁場だ。
 中村さんがボトルシップの魅力に引き込まれてもう30年になるという。ボトルシップ一つを制作するのに4ヶ月はかかるそうだから、60点の作品はずばり中村さんの人生というわけである。それにお酒を飲まない中村さんが“酒瓶”相手というのも面白い。
 中村さんのボトルシップの特徴は、船体の緻密さと美しさをさらにグレードアップさせるために、瓶の中に描かれた油絵である。それも内と外向きに。まず外向きの絵を描いて、乾くのを待って内側を描く。手間と根気のいる作業だ。大きなテーマは海。船乗りであったご自分が訪ねた異国の港町の絵も少なくない。船の本体と絵が一つになって"航海"はよりリアルに、そして幻想的。見飽きない。
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 好きな方はじーっと見入っている。鼻先が瓶に引っ付きそうなくらいに近づいている。息がかかる。そして「ホー」と大きな息をつく。「夕顔」「いろは丸」「咸臨丸」なじみの船名も楽しい。
 企画展示室では「風になった龍馬展」がスタートした。龍馬、海舟、万次郎。
結ぶキーワードは「海」と「船」である。

感動が波に

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weblogP1040348.jpg「さてもさても人間の一世ハがてんの行ぬハ元よりの事・・・・」。 

 

 龍馬ファンなら一度は耳にしたことのあるフレーズであろう。文久三年(1863)三月二十日、龍馬が脱藩後初めて姉の乙女に宛てた手紙である。

 

 女優の小林綾子さんが、ゆっくりと龍馬の手紙を朗読する。いや、弟、龍馬からの手紙を、小林さんが乙女姉さんになって読む。乙女姉さんを演じるのだ。ライトに浮んだ乙女姉さんの着物の帯が弾んでいる。待ちに待った弟からの手紙を読む声は弾む心を抑えながら、それでも弾む。

 

 語呂あわせで10月3日が「とさ=土佐の日」となって3年、高知市のホテル三翠園で全国大会が開かれ、そのアトラクションに小林さんとシンセサイザー奏者・作曲家の西村直記さん、それに坂本龍馬記念館の女性スタッフ二人が加わって“龍馬の手紙、朗読・コンサート”が披露された。小林さんは乙女に、西村さんは龍馬をテーマに作曲した曲で背景を固め、館の二人は手紙と手紙の間をつなぐ時代、世相の解説である。三者が絡み合って幕末の龍馬が浮ぶ。

 

 この日は五通の手紙が紹介された。乙女宛の手紙だから私信中の私信。龍馬もまさか150年後、故郷の人前で読まれるとは思ってもいなかったはずである。天国で照れている?いやこの日のコンサートの様子を見ていたらそうでもないかも。

 

 観客は一心に舞台を見つめた。耳をそばだてた。息をのんでいた。その緊張感が背中にびんびん伝わってきた。会の“風”は“幕末”。龍馬の背中が確かに見えた。最後に天国で乙女が言う「・・・・・龍馬そろそろ、また貴方の出番ぞね」。流れる「龍馬フォーエバー」。終了と同時に大きな拍手が起きた。「感動したぜよ」と何人もに声をかけられた。まんざらでない顔の龍馬を想像した。

 

 本番の『「聞こえる・あの声」龍馬の手紙を読む~朗読・コンサート』は11月14日(土)高知県立美術館の美術館ホールで、昼夜2回公演です。

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