日常の風景

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 記念館出口の小さな住人、まるまるとふくよかなすずめ達。スロープの柵のワイヤーにとまった姿は、五線譜の上の音符のよう。子すずめのユーモラスな羽ばたきの練習。(近寄って目が合っても逃げません。)受付の自動扉のガラスの枠がさながらフレームのようにおさめた小さな風景。
 その奥に広がる雑木林。梅、桜、シイの木・・・年月を経た文字どおり様々な種の木々が密生し、吹き渡る風にいっせいにざわめく。
 豊かに茂るクスノキ。降り注ぐような落葉と共に芽吹いた若葉の淡くみずみずしかった新緑の色も、今は深い緑へと変わっている。木々の間わずかにのぞく空の色の移ろい。入り口に立つ龍馬像を透かして届くまぶしい光。夏が近い。
 受付からの見慣れた日常の風景が、心に潤いを与えてくれる。

「近世土佐の焼き物展」

4月から始まった「近世土佐の焼き物展」。大変好評です☆

もう何年も何年も、龍馬記念館の企画展が変わるたびに
毎回観に来てくださっているおじいちゃんがいます。

龍馬のことが好きなのかな?幕末に興味があるのかな?
でもおじいちゃんはいつも何も語らずに帰っていきます。
そして、企画展が変わると必ずまた観に来てくれるのです。

ところが...、今回の「近世土佐の焼き物展」ではちょっと違いました。

帰り際、受付に立ち寄り、少し興奮した様子で
「いや~、良かった。とっても良かった」と言ってくださったのです。
そして、私がお見かけしただけでももう3回は観に来てくださっています。

龍馬でも幕末でもなく、「焼き物」がおじいちゃんのツボだったとは...。
(ダシャレじゃないです‥)

龍馬記念館ツウのおじいちゃんもオススメ!
「近世土佐の焼き物展」ぜひご覧ください☆

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「近世土佐の焼き物展」関連イベント
“尾戸焼き体験教室”開催
◆ 日時・・・成形から完成まで3回コース(各回とも午後1時より)
1、5/17(日) 成形(約2時間)
2、6/7(日) 絵付け(約1時間)
3、7/5(日) 作品受取 ・ 登り窯跡見学
◆ 場所  谷製陶所 高知市鴨部1366
◆ 料金  2,000円(3回分)
◆ 持ち物  タオル(手拭き用)
◆ お申し込み先 土佐歴史資料研究会
            高知市北本町3丁目8-15 TEL:088-861-3011
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霧島連山

weblog-090509.jpg 今年の4月1日から坂本龍馬記念館に勤め始めました(山)です。やっと1ヶ月が過ぎ、職場の雰囲気、仕事の流れに慣れてきたところです。
私はここに来る前に九州の宮崎市に3年程住んでおりました。その3年間で、私の頭に刻み込まれた一つの風景があります。晴れた日の夕暮れ時、はるか南西の空に陽を浴びて浮かぶ霧島連山の姿です。今でも目を閉じれば雄大な霧島連山のシルエットが浮かぶのです。
 霧島連山は、宮崎県と鹿児島県の県境に位置し、1,000メートルを越える山々が連なっています。そう、かつて坂本龍馬もお龍さんと新婚旅行で訪れた場所です。私も何度か霧島連山を訪れ、そのたびに雄大な景色に感動した記憶があります。中でも圧倒されたのが「霧島神宮」でした。坂本龍馬も百数十年前に、お社と対面した時の率直な気持ちを乙女姉さんに宛てた手紙にこんな風に綴っています。「霧島山より下り、きり島の社にまいりしが是は実大きなる杉の木があり、宮もものふり極とふとかりし。」つまり、社と取り巻く荘厳な風情に触れて感動した、というわけです。
 霧島神宮は霧島連山の麓、鹿児島県側に位置し、国内でも最古に入る由緒ある神宮です。現在の朱塗りの本殿を含め、境内のご社殿は約300年前に建て替えられていますが、色鮮やかで絢爛な姿には、歴史の重みと厳かな気持ちを感じさせてくれます。
 また、ご神木である大杉は、樹齢800年となり、樹高35メートル、幹周り7.3メートルの巨木には、参拝客も圧倒されてしまいます。
 かつて坂本龍馬も訪れた霧島神宮。龍馬とお龍さんへの思いを馳せながら一度訪ねてみて下さい。

ゴールデンウイーク

 

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連休開始。館はとたんににぎやかになる。
桂浜全体がわーんと共鳴して、気持まで高ぶってくる。
それに今年は、例年とは少し違う雰囲気がある。
休日の高速道1,000円。
来年のNHK大河ドラマは「龍馬伝」。
これらを追い風とするなら、
世界を駆け巡る豚インフルエンザ情報は逆風に違いない。
2日から5日までは、館は時間延長を実施する。
開館は平常より10分早い午前8時50分。
閉館は午後6時とした。合計で1時間10分の延長だ。
館のホームページも今日から一新である。
そして、職員の制服も衣替え。
デザインごと変えて夏用になった。
初夏の気配濃厚な"龍馬の見た海"には、
ジャコ漁の漁船が数隻。
その横を白い腹の貨物船が航跡を曳いて
水平線に向かって行く。

 

「夢」と「出会い」をテーマに

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 4月18-19日の2日間にわたって開催された「第一回現代龍馬学会」が終わった。準備から1年、立ち上げから半年。いよいよ総会が始まるんだという2日前の緊張は晴れ渡った空に消えていった。初夏の海も目に鮮やかである。

 『何もかもが混迷を極め、未来へのヴィジョンが失われてしまったかに見える現代。坂本龍馬の思想と行動に学び、その精神を今日に生かそうとして、高知県立坂本龍馬記念館・現代龍馬学会は発足した』。
 7人の研究発表者の一人として、また、現代龍馬学会発表のトップバッターとして、私も演台に立たせていただいた。与えられた時間は短いけれど、掘り下げれば内容はどこまでも深い。どういった発表にするべきか、ずぼらな私なりに少しは悩んだ。
 諸先輩、諸研究者の発表の口火切り役であるということは、初めて甲子園のマウンドに立つ高校球児のような気持ちである。しかも初めての龍馬学会。が、マウンドにいる神様(龍馬)も一緒なので何とかなるだろうという気持ちで臨んだ。

 1日目の総会、発会式のあと、自分の発表を終え、他の発表を聞き終わったとき、えも言われぬ気持ちの良い風が吹いた。
2日目、分科会での討論。西村直記さんのトークコンサートの後の総括と宣言文発表。2日間を終えた会場に、充足感が加わった心地よい風が吹いた。
 『三十三年の生涯で龍馬が夢見たもの、それはヒューマニズムに根ざした新しい日本の建設だった。道義が廃れ、理想が失われつつある現代、龍馬の意志と情熱を受け継ぎ、私たちの時代と社会を見つめ直していきたい』。
 『  』は2日間を終えた現代龍馬学会の宣言文(部分)である。学会とともに記念館の方向性が端的に表されている。いよいよ龍馬の風が吹く。

今月の賑わい(独り言16)

 4月の記念館は大忙しである。
 まず、海の見える・ぎゃらりいでは1日~5月10日(日)まで生野宏宜さんの「土佐の山間よりいずるもの」と題して石彫小品展を開催中。会場には河原の石に彫りこまれた様々な表情の顔が並んでいる。生野さんによって魂を吹き込まれた仁淀川の原石達には独特の雰囲気がある。間近に作品を見ていると、石に命が宿るまでの旅を想像してしまう。あなたは何を感じるだろう?

 12日(日)には“龍宮祭”だ。今年も春の桂浜に小学生扮する浦島太郎と乙姫様のパレード、大人と子どものペンギンダンス、紙芝居、そして今年の龍宮祭の圧巻は、大漁旗を掲げた漁船団が桂浜沖を舞い踊る!空と海の青をバックに心地よい風に吹かれながら桂浜を体感してみてはどうだろう。いつもあっという間に売切れるチラシ寿司とてんぷらも、もちろん販売される。みんなで気分はもう桂浜!?

 その次の18日(土)・19日(日)には「第1回 高知県立坂本龍馬記念館・現代龍馬学会」が開催される。2日間に渡って総会、発会式、研究発表、分科討論会、コンサート、宣言文発表と龍馬一色。盛りだくさんのプログラムである。“単に歴史研究ではなく、龍馬を現代にどう位置づけていけばいいかを広く考察する”という考えから立ち上がった「現代龍馬学会」。一般の方も参加自由!

 学会準備も最終段階に入り、どんな意見が飛び出してくるかスタッフも期待いっぱいだ。各イベントの詳細は記念館のホームページをごらんいただくかお問い合わせください。それではみなさん、どこかでお会いしましょう!!

土佐の焼き物勢揃い

明日から「近世土佐の焼き物」展が始まります。

伊万里や唐津に劣らないとも評される土佐の焼き物「尾戸焼」「能茶山焼」がズラリ勢揃い!
これまであまり人目に触れる機会のなかった個人所蔵の名品だけを一堂に集めました。
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本物のかつおと見間違うほどにリアルな「尾戸焼 鰹形蓋物」。
かつおの身の部分が蓋になっていて、中に蒸し物などを入れて蓋をしておくと
いつまでも温かいままで食べられるようになっています。
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こちらも本物そっくりな「尾戸焼 南京形振出」。
野菜売り場にあったら、気付かずに手に取ってしまいそうです。
“振出”とはお茶道具の一種で、金平糖を入れる器。
かぼちゃのヘタ部分が蓋になっています。
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「尾戸焼 いられ燗」です。
“いられ”とは土佐弁で“せっかちな人”という意味です。
通常、日本酒の熱燗は沸かしたお湯の中に徳利を入れ湯煎をして温めますが
この徳利は上から見るとドーナツ形をしており、すばやく熱が伝わる仕組みになっています。
さらに、湯煎ではなく炭をおこしたところに直接くべて温めます。
“いられ”な土佐人独特の文化です。 

「ワシはいられ燗でも酒が沸くのが待てんきに、最近は“冷や”で飲みよらーよ。」
とは土佐歴史資料研究会のAさんの言葉。

この他にも、茶道具や徳利、皿など100点あまりの焼き物がご覧いただけます。
ぜひこの機会に土佐の焼き物に触れてみてください。
そして、土佐の焼き物を通して江戸・幕末の雰囲気を感じていただければと考えています。

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「近世土佐(江戸・幕末・明治)の焼き物」展
平成21年4月1日(水)~7月17日(金)
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坂本家の葛篭(つづら)

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札幌・坂本家に伝わる葛篭(つづら)を「坂本家の居間」に展示している。
蓋つき、木製、クロス張り。
「坂本」の金文字が印象的だ。
明治末期から大正時代の初めに郷士坂本家7代当主・坂本弥太郎が作り、活用したもので、かつては20個以上あったのだろう。
龍馬の資料もこの葛篭に入って北海道内を移動していたのかと思うと胸に迫るものがある。
葛篭には無造作に「坂本 桂 山内容堂 武市半平太 中岡 勝海舟 吉村虎太郎」というシールが貼られているが、この中には弥太郎が集めた画家・公文菊僊(きくせん)の描いた肖像画が入れられていた。
坂本直寛(龍馬の甥)に認められただけあって、婿養子の弥太郎は熱心なクリスチャンで、実業家としても大成した。坂本家への執着も強く、彼によって坂本家や龍馬資料は守られてきた。

直寛の長女・直意との間に10人の子どもがおり、その時々、正装した家族写真には弥太郎の意気込みが撮られている。
ここ数年、弥太郎さんをはじめ古今の坂本家の人々とおつき合いさせていただいた。
写真を見れば、誰がどんな様子だったのか、だいたい分かるようになった。
坂本家に対してどこか懐かしい親戚のような気持ちも生まれている。
龍馬精神を受け継いできた坂本家の人々や、海援隊約規についての半年に及ぶ企画展示はまもなく“千秋楽”。
土佐に旅した葛篭とともに、龍馬の資料や高松太郎らの遺品が北海道へ帰っていく。別れと出会いの春である。
さて、次の企画展は「近世土佐の焼物」展(4月1日~7月17日)。
名品、逸品が並びます。乞うご期待!ぜひご覧ください。

元気印のおばあちゃん

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春めいてきた。
張り詰めたような弧が緩み、水平線がかすむ日がある。
三寒四温を繰り返しながら、確実に春は来ている。 
入館者の服装もずいぶん軽くなってきた。
3月3日ひなまつり。2階の一角に、短歌愛好家たちの「乙女姉やんのひなまつり」という小さな展示が行われた。
70代から80代(もしや90代も)の方たちが張り切って色紙に書いた短歌を持ち寄ったもの。
失礼ながらお世辞にも"上手"とは言えないが、館長同様、龍馬も乙女姉やんも苦笑していそうなくらい元気がある。
龍馬ファンの方たちらしく、昨年の龍馬像建立80年の時も、記念の5月27日に賑々しくお祝いの会を自主的に開催された。とにかく元気。記念館でやるのが一番ふさわしいという意気込みがメンバーにあふれている。
中には最近まで九州で学ぶ高校生の孫を毎週末ごとに高知から送り迎えしたという70代の方もいる。
おばあちゃんパワーはすごい。
介護だ、デイケアだと、福祉施策がかまびすしく言われた時期が去り、今は派遣切りにニュースは集中している。ニュースが騒いだ後にいったい何が残るのか。
生きるということはブームではなく生きるという現実である。
語呂合わせのような短歌に苦笑しながら夜間に色紙を貼ったが、若者に負けない元気なお年寄りたちの姿はうれしい。老いていく両親を見ている身にはうらやましくもある。
「館長さ~ん」とやってくるおばあちゃんに、「もう来んでもえい」と館長。言われても屈せず、かくいう館長も追い返すではない。おばあちゃんのめげない精神に笑いがあふれる。
春の光が明るい。

風のリーフレット

手元に一部のリーフレットがある。
表紙の題は「龍馬と歩く」。
龍馬・桂浜プロジェクトの作成である。
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このプロジェクトには地域の活性を目指す7社(公、民)が参加している。
坂本龍馬記念館もメンバーの一員。
思うところは、それぞれの“特技”を生かして、桂浜を“龍馬の聖地”にしようと燃えていることだ。
先日、リーフレット作りのために、熟慮したモデルルートをバスで試走してみた。
龍馬生誕地を皮切りに、坂本家の墓所、田中良助邸、八畳岩にも立った。
寄り道して、岡田以蔵のお墓。
息切らせながら和霊神社の階段も上った。
解説、ガイドは館の学芸員。
「やっぱり、違う。面白かったし、龍馬がぐんと近くなった」
評判上々の試走となった。
その成果が、このリーフレットに変わった。
龍馬が胸を張っている。
桂浜の海はあくまでも青い。
リーフレットはやがて旅立つ。
風になって日本のあちこちを旅する。
そして、龍馬ファンを連れて桂浜に戻ってくる。
その様子を想像して、独り笑いしてしまった。

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